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ソニーとオリンパス、4K3Dの手術用顕微鏡を開発 医師の疲労軽く
2017-09-19 15:48:49   From:日経   コメント:0 クリック:

ソニーオリンパスが共同出資するソニー・オリンパスメディカルソリューションズ(SOMED、東京都八王子市)は19日、高精細な4Kと3D技術を搭載した手術用のデジタル顕微鏡システムを開発したと発表した。手術の様子をモニターに映し出すため接眼レンズをのぞき込む必要がなく、医師の疲労を軽減する。2021年に脳外科分野で世界シェア20%を目指す。
ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが開発した4K3Dの手術用顕微鏡(左)。従来の光学式(右)より顕微鏡部分の体積を95%減らした(19日、東京・中央)
 

ソニー・オリンパスメディカルソリューションズが開発した4K3Dの手術用顕微鏡(左)。従来の光学式(右)より顕微鏡部分の体積を95%減らした(19日、東京・中央)

 新製品の名称は「オーブアイ」で、オリンパスが10月に日米で発売する。従来の光学式に比べて顕微鏡部の体積を95%、システム全体の重さを50%それぞれ減らした。顕微鏡部とモニター、レコーダーで構成し、価格は4000万円程度と光学式と同等。同日都内で開いた製品発表会でソニーの勝本徹執行役員は「ソニーはこれまでもアナログで培った技術をデジタル化し、新たな価値を創ってきた。今回は手術分野への挑戦だ」と強調した。

 ソニーのデジタル映像技術とオリンパスの顕微鏡技術を組み合わせて開発した。ソニーの一眼カメラなどに使われている裏面照射型のセンサーや、高速で画像を処理する技術を採用。手術で求められる画像の水準や、顕微鏡を支えるアームの設計などにオリンパスの知見を活用した。

 手術用顕微鏡は脳外科や耳鼻科などの微細な手術で使われる。手術は十数時間に及ぶこともあり、固定された光学式では首を痛めるなど医師の疲労や手術スタッフと進捗を共有できないといった課題があった。

 手術用顕微鏡の世界市場は独カール・ツァイスが6割程度、独ライカマイクロシステムズが3割程度を占める。オリンパスは現在日本でしか販売しておらず、世界シェアは2%程度とみられる。オリンパスの田口晶弘取締役専務執行役員は発表会後に報道陣に「光学式とは全く違う製品で、世界を変える可能性がある」と述べ、シェア獲得に自信をのぞかせた。

 ソニーとオリンパスは12年に資本業務提携を結び、13年にソニーが51%、オリンパスが49%を出資してSOMEDを設立した。15年に同社初の製品となった外科手術用の4K内視鏡を発売しており、今回が第2弾となる。

 SOMED独自の4K内視鏡は医師からの評価が高く、納入先の8割は他社製内視鏡からの乗り換えだという。SOMEDの津末陽一社長は発表会で「ソニーだけでもオリンパスだけでもつくれない、とんがった製品をつくっていきたい」と強調した。

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