ブロードコムCFO「クアルコム断念、買収戦略制約せず」
2018-03-16 14:05:00 From:日経 コメント:0 クリック:
登記上の本社をシンガポールに置く通信用半導体大手ブロードコムが15日発表した2017年11月~18年1月期の売上高は、前年同期比29%増の53億2700万ドル(約5660億円)だった。トーマス・クラウス最高財務責任者(CFO)は電話会見で「(クアルコムの買収断念は)我々の今後の買収を制約するものではない」と話し、今後のM&A(合併・買収)に意欲を示した。
同社はトランプ米大統領の命令を受け、米同業クアルコムの買収断念を14日に表明した。クラウス氏は「クアルコムへの巨額買収の提案は機会を捉えた明確にユニークなものだった」と説明。将来の買収について「バランスシートに基づき資金の手当てが可能な規模でおこなう」と話した。
ホック・タン最高経営責任者(CEO)も「規律をもって(経営施策を)実行する」と語った。
ブロードコムの推計によると、株主総会に向けクアルコムが擁立した取締役候補者11人は15日までに15~16%の賛成票しか獲得していなかった。クラウス氏は「(買収が不成立だったことは)必ずしも(クアルコム本社がある)サンディエゴを祝福するものではない」と皮肉を述べた。
11~1月期は部門別売上高で「無線通信部門」が88%増の22億1000万ドルだった。アップルの新機種投入で大幅に増えたが、2~4月期は「iPhoneX」の不振でアップル向けの販売が落ち込む見込み。ただ韓国サムスン電子向けの増加で一部を補えるとみている。「有線部門」は10%減の18億7500万ドル。データセンター向けは好調だったが、光ファイバー部品などが季節要因で落ち込んだ。
純利益は米国の税制改正で一時的な利益が発生したため、約26倍の65億6600万ドルとなった。1株利益は14.62ドルと市場予想を上回った。
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