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「米通商政策に懸念の声」 地区連銀経済報告
2018-04-19 13:59:13   From:日経   コメント:0 クリック:

 【ワシントン=長沼亜紀】米連邦準備理事会(FRB)が18日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、3月から4月上旬にかけて米経済は「全地区で緩やかに拡大を続けた」とし、前回3月報告と同様の総括判断を維持した。一方、景気見通しは依然明るいものの、様々な産業が通商政策の影響に懸念を持っていると指摘した。

米国の穀物業界はトランプ政権の通商政策に神経をとがらせている(イリノイ州の小麦農場)=ロイター

米国の穀物業界はトランプ政権の通商政策に神経をとがらせている(イリノイ州の小麦農場)=ロイター

 同報告によると、物価は「全地区で緩やかに上昇」した。追加関税で鉄鋼価格が上昇し、一部で急騰したとの報告もあった。建築資材や輸送費も上昇した。製造業や情報技術分野などでは、仕入れ価格の上昇を販売価格に転嫁する動きが散見された。

 雇用も幅広く緩やかな拡大が続いた。労働市場の逼迫が続き、企業は広範な分野、技能水準で人材確保が難しいと報告した。それにもかかわらず、大半の地区で「賃金の伸びは緩やか」で「賃金圧力は高まってはいない」と指摘した。

 通商政策に関しては、製造業、農業、輸送業を含む様々な産業から懸念の声が相次いだ。ダラス地区の製造業者は「追加関税は、活動と価格の見通しに深刻な不確実性をもたらしている」と指摘。ボストン地区の業者は中国産アルミホイル製品価格が3倍になったとし、「関税は、高賃金の米製造業の雇用やビジネスに打撃を与えている」と述べた。

 個人消費は、大半の地区で増加した。自動車以外の小売りや観光は伸びたが、自動車販売はまだら模様だった。製造業は緩やかに拡大した。

 同報告は、5月1~2日に開く次回米連邦公開市場委員会(FOMC)の討論資料になる。前回3月会合で利上げを決めたばかりなため、次回会合では利上げは見送るとの見方が市場では大勢だ。

 同報告書は4月9日までの情報に基づき、全米の12地区連銀が最新の経済動向をまとめた。

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