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コマツ追撃へ生産も再編、日立建機社長に聞く
2018-10-05 13:03:01   From:日経   コメント:0 クリック:

日立建機が国内事業の再編に乗り出した。油圧ショベルや鉱山機械が好調で国内工場の稼働率は右肩上がり。2022年度までに約420億円を投じ、拠点の集約や主力のホイールローダーの事業拡大などで年間60億円の営業利益改善を目指す。情報通信技術(ICT)を中核に成長軌道をどう描くのか。平野耕太郎社長に戦略を聞いた。

 

インタビューに答える平野耕太郎社長

インタビューに答える平野耕太郎社長

――なぜ今、国内の再編に取り組むのですか。

「(国内トップの)コマツに劣っている原価率や売上高販売管理費比率で追いつきたい。16年水準の低い需要で円相場が1ドル100円でも営業利益率9%以上を出すのが目標。その先に10%以上を見据えている。建設機械はアップダウンしながら伸びてきたが、この先の需要は分からない。需要が落ちた時に改革ができているようにしたい」

――どのように効率を引き上げますか。

「1つは開発効率だ。日本だけで1600人弱の開発人員がいるが、これまで土浦工場や龍ケ崎工場など4カ所だった開発拠点を2カ所に集約する。開発や試験の設備も効率化できる。完成機の生産拠点も機種ごとではなく大きさで分け、これまでの5カ所から3カ所に集約する」

――浮いたリソースは何に振り向けるのでしょうか。

「ICTで現場の生産性向上を目指す『アイ・コンストラクション』など新たなテーマに割り当てられる。ミニショベルでは電気自動車(EV)化も進む。これまでは機械の性能を中心に考えてきたが、今後は取得したデータをいかに顧客に提供するかなど、ソフト面も生かさないと顧客の要求には答えられない」

 

■「ソリューション企業」と言われたい

 

――新車の単品売りで無くサービス分野を拡大しようとしています。

「海外売上高比率が8割に高まるなどグローバル化が進んだのは当然。当社は『ソリューション企業』と言われたい。19年度には新車販売以外の売上高を全体の半分(前期は約40%)にするのが当面の目標だ」

「レンタルなどを含むバリューチェーンビジネスをどうするか。8月までにレンタル機器会社のACMEリフト(米アリゾナ州)に33.3%出資し、北米で建設機械のレンタル事業に参入した。アームの長い高所作業車など特殊車両をレンタル会社に貸し出す『リ・レント』の先駆者だ」

――日立建機にないモデルということですか。

「稼働率を高めるため衛星で写真を撮り、どこで建機が稼働しているか見ている効率性が彼らの武器。うちと組むことで土木機械に進出し、特殊車両のラインアップを増やせるメリットもある。今後こうしたやり方を欧州などでも展開できないかと考えている」

「中古市場も好調だ。自社の機械は毎日データを取っており信頼性が高いため、高く買ってもらえる。営業には売るだけではなく買ってこいと言っている。レンタルやメンテナンス含め、点ではなく線、面でのビジネスになってきている」

 

日立建機は欧州では電動小型ショベルの開発を進める

日立建機は欧州では電動小型ショベルの開発を進める

――国が16年から進めるアイ・コンストラクションへの取り組みはどうでしょうか。

「難しい分野だ。測量でドローンを使うなど、パートナーと組んでメニューを提供している。建機のICT対応では、すでに測量機器と連携してどの程度掘るか半自動制御できるショベルは投入しており、今後6トン未満のミニショベルでも対応させたい。従来ミニブルドーザーがやっていたコンビニエンスストア前の整地などの作業を効率的に担えるようにする」

 

■記者の目

 

長く採算性でコマツの後じんを拝してきた日立建機にとって、原価率の低減は積年の課題といえる。早期退職や中国工場の閉鎖、事業再編など近年の構造改革で利益率は上向いており、競争力の源泉ともいえる国内製造拠点の再編はその仕上げ段階。虎の子の開発リソースにまで踏み込んだあたりに決意がにじむ。

メンテナンスや中古車販売、レンタルなど顧客と長く接点を持つ「バリューチェーン事業」の売上高は17年度に全体の4割の約3810億円だったが、19年度に5割を目指す。16~17年に古い機械への部品供給を得意とする鉱山機械向け部品の海外企業2社を買収した背景にも、この分野を強化したい思惑があった。

18年中に独代理店と組み、欧州で先行する小型電動ショベルの開発拠点を構える方針を発表した。切るべきものは切る一方、出すべきものは出す。コマツに肩を並べる準備は整いつつある。

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