中国、テスラのマスク氏に「中国の永住権あげます」
2019-01-11 13:26:25   From：日経   コメント：0 クリック：

中国の李克強（リー・クォーチャン）首相は9日、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者（CEO）と北京の中南海で会談した。「テスラが中国の改革開放の深化に参加し、中米関係の安定と発展の推進者になるよう希望する」と同社への期待を表明した。

中国政府が10日、発表した。テスラは6日、車載電池と電気自動車（EV）を一貫生産する上海工場の着工を明らかにしたばかり。李首相は「中国が新エネルギー車の分野における外資の出資制限を（2018年に）緩和してから初の事業だ」と評価した。

中国とマスク氏の蜜月ぶりは際立っている。マスク氏が「私はとても中国を愛している。もっとたくさんここに来たい」と述べると、李首相は「あなたに中国のグリーンカード（永住権）を出してもいいですよ」と冗談で返した。

マスク氏は「中国の発展のスピードと事務の効率には深い印象を受ける。これほど短い期間で自動車工場を設立する手続きがすべて完了するとは思いもよらなかった」とも語った。テスラは中国政府が新エネ車の外資規制緩和を表明した直後の18年5月に単独出資で中国法人を設立し、工場新設の準備に入っていた。

会談終了後、李首相はマスク氏に誘われて、中南海に乗り入れた3台のテスラ車を見学した。ドアを開く際に広いスペースが必要だと気づいた際には「もっと中国の駐車スペースに合わせた方がいい。中国市場は巨大だが、都市部の土地は限られている」とマスク氏に助言した。

マスク氏は18年7月にも中国の最高指導部メンバーが執務室を構える中南海を訪れ、王岐山・国家副主席と会談している。中国側には米国を代表する起業家であるマスク氏との緊密な関係をアピールし、貿易戦争を仕掛けるトランプ米政権をけん制するねらいがあるとみられる。