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テスラの「モデル3」、ガソリン車に価格で対抗 従業員数を7%削減
2019-01-21 15:52:24   From:日経   コメント:0 クリック:

米テスラが主力電気自動車(EV)「モデル3」の抜本的なコスト低減に乗り出した。生産ペースを従来の2倍に増やして量産効果を引き出す一方で、世界で約4万5千人に達した従業員を7%削減する。製造コストをガソリン車並みに下げることでかねてから予告していた廉価モデルの量産を始め、EVの本格普及期をたぐり寄せる考えだ。

「我々の製品はまだほとんどの人々にとって高価すぎる」。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は18日に全従業員に送った電子メールの中で世界で3千人規模の人員削減に踏み切る背景をこう述べ、「他に方法はない」とリストラ策への理解を求めた。

2016年3月末に予約を始めたモデル3は、高級車ブランドであるテスラが出す初の量産車という触れ込みで開発が進められた。最も安いモデルの価格は3万5千ドル(約380万円)から。ガソリン車並みの値ごろ感が米消費者に受け、受注開始から約1カ月で約40万件の予約を獲得して話題を集めた。

ただ、顧客への納車が始まって1年半が過ぎた今も、同社がカリフォルニア州内の工場で組み立てているのは電池容量が大きく内装などが豪華な高価格モデルに限られている。資金回収と収益性を優先して廉価モデルの生産を後回しにしているためで、最も安い場合でも現在の取り扱いモデルの価格は4万4千ドルに高止まりしていた。

18年にモデル3を分解して製造コストを分析したスイスの金融大手UBSのコリン・ランガン氏は、モデル3を3万5千ドルで販売すれば「1台当たり約6千ドルの赤字になる」と指摘した。マスク氏も「モデル3を3万5千ドルで作るのに必要な規模の経済を達成するには、より多くの生産台数と製造工程の改善が不可欠だ」と認める。

03年設立のテスラは過去15年間の急速な成長の過程で生じた役割や職務権限の重複を解消するため、18年6月にも全従業員の9%を削減すると表明した。同じ時期にモデル3の生産が週5千台の目標を達成したことで、18年7~9月期の最終利益は3億1151万ドルとなり、8四半期ぶりの黒字転換を果たした。

一時は収益改善に成功したかに見えたが、モデル3の生産台数を週1万台規模に引き上げるためその後も積極的な採用を続けており、18年末の従業員数は1年前に比べ3割増えていた。テスラによると18年10~12月期決算は監査前の暫定的な数値として2四半期連続の最終黒字を維持したものの、人件費の増加などで利益水準は前の期を下回ったという。

モデル3の累計生産台数は18年末時点で15万5千台を超えている。高価格モデルの予約客への引き渡しが順調に進めば、19年末にかけて廉価モデルの生産に移る見通し。膨らんだ人員体制を残したままでは、収益性がさらに悪化する恐れがあった。

米政府によるエコカー普及のための減税措置が段階的に縮小されることも、テスラにとって逆風となっている。18年末まで最大7500ドルだったテスラ車の購入者に対する税額控除は販売台数が上限に達したことで19年1月からは3750ドルに減っており、20年には控除が完全になくなることが決まっている。テスラは販売への打撃を抑えるため、19年1月には米国で全車種を一律2千ドル値下げしたばかりだ。

足元のガソリン安に米トランプ政権による燃費規制緩和の方針も重なり、14日に米デトロイト市で開幕した北米国際自動車ショーではスポーツ車やピックアップトラックなどの大排気量の車種が出展の目玉となった。政策的に電動化へとカジを切る欧州や中国とは対照的に、米国ではEV普及のペースは緩やかになると見込まれている。

調査会社のマークラインズによるとテスラの18年の米国販売台数は12万6千台と17年の2.9倍に急増したものの、米新車販売全体に占めるEVの比率はまだ1%にとどまる。多くの消費者にとってEVは新車購入時の選択肢とはなっておらず、トヨタ自動車で北米事業を担当するジム・レンツ執行役員は「EVを米国市場に投入するのは市場環境が整ったと判断してからだ」と慎重姿勢を崩さない。

これまでもモデル3の量産目標達成の時期を繰り返し延期するなど、マスク氏の「公約」は何度も未達に終わってきた。18年には約3週間で撤回した株式非公開化計画の情報開示をめぐり、米証券取引委員会(SEC)から証券詐欺で訴訟を起こされる事態を招いた。人員削減を発表した18日の米株式市場でもテスラ株は前日比13%下落して取引を終えた。投資家はマスク氏の実行力を注意深く見極めようとしている。

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