対中輸出12月7%減、中国景気減速で 昨年は貿易赤字
2019-01-23 17:09:40 From:日経 コメント:0 クリック:
財務省が23日発表した2018年12月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出は前年同月比3.8%減の7兆240億円だった。中国向けの輸出が7%減の1兆4026億円。米中貿易戦争による中国経済の減速の影響が顕在化してきており、液晶製造装置や携帯電話部品、半導体などが大きく落ち込んだ。輸出額から輸入額を差し引いた2018年の貿易収支は1兆2033億円の赤字だった。赤字は3年ぶり。
18年12月の貿易収支は553億円の赤字だった。前年同月は3562億円の黒字。原油価格の低下が通関単価にも反映され輸入額の増加が抑制されたが、中国向けなどの輸出減が影響した。米国向け輸出も自動車や鉄鋼が減った。
18年の輸入額は前年比9.7%増の82兆6899億円だった。原油の通関単価が17年よりも3割程度高い水準で推移した影響が出た。一方、18年の輸出額は4.1%増の81兆4866億円だった。17年に伸びをけん引した半導体製造装置が18年秋以降に伸び悩んだ。
半導体製造装置の輸出では、韓国向けが18年10月以降に前年同月を下回って推移し、12月は前年同月比で39.5%の大幅減となった。中国向けは11月に減少に転じ、12月は34.3%減だった。12月の対中輸出は携帯電話部品などの通信機も67.1%と大きく減った。台風などの自然災害で物流に影響が出たほか、設備投資が鈍ったことも響いたようだ。
18年の中国向け輸出は6.8%増の15兆9018億円。17年は前年比で約2割増えたが、伸びが鈍った。
IT(情報技術)分野の輸出が失速した背景には、米中貿易戦争に端を発する中国経済の減速や世界的な景気減速への懸念があるとみられる。財務省の担当者は「輸出入は様々な要因の影響を受ける」として、貿易戦争の具体的な影響は不明だとした。企業が業績見通しを引き下げるといった動きも出てきており、世界景気の先行きは不透明感が強まりつつある。
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