米国、日欧の経済衰退に懸念示す 世界経済に各種の危機
2014-09-19 09:17:19 From: コメント:0 クリック:
米財務省の高官が12日の記者会見で、日本とユーロ圏の経済への懸念を示し、G20財務大臣・中央銀行総裁会議の参加国に「経済の活力の向上と需要の拡大という政策レベルで協力する必要がある」と呼びかけた。2008年から始まった各種の危機が世界に様々な問題をもたらし、不安に駆られた人々は「経済衰退」という言葉に敏感になっている。人民日報海外版が伝えた。
▽次々と訪れる懸念材料
欧州中央銀行のドラギ総裁は9日のミランの演講で、欧州の投資レベルが低く、ユーロ圏の経済が楽観できない状況にあるとの見方を示した。
中国社会科学院金融研究所の尹中立研究員はこれについて、「2009年から実施が始まった経済政策はすでに効果を失っており、欧州経済は全体としてゼロ成長の状態にあり、衰退期に入っているとさえ言える」と指摘する。
日本経済の不調はこれに輪をかけて明らかだ。日本内閣が8日に公表したGDPデータは悪化を強めており、第2四半期の実質GDP修正値は前期比年率換算7.1%のマイナス成長となり、GDPの縮小幅は5年ぶり最大となった。
米国の状況はそれほど悪くはない。最近はドルも高くなり始め、米国経済の成長率はほかの先進国の経済成長水準を大きく上回っている。だが庶民の給与収入は経済回復や失業率低下で上がっているとは言えない。ウォール・ストリート・ジャーナルとNBCの調査によると、米国の庶民は経済動向に対する悲観的な見方を強めている。
新興経済体の動向も楽観的ではない。BBCウェブサイトの10日の報道によると、IMFの朱民・副専務理事は、新興経済体はすでに発展周期のピークをすぎており、ここ18カ月で新興経済体の9割で経済成長率が減速していることを指摘している。
▽危機に直面する世界経済
ここ最近で不安定化した国際情勢も不景気な経済をさらに悪化させそうだ。
IMFのラガルド専務理事は10日、ウクライナと中東の地政学的な危機の影響によって、世界経済の成長が「非常に軟調で脆弱、不平等な」状態にあると指摘した。
ウクライナ中央銀行総裁によると、危機の影響を受け、ウクライナのGDPは10%のマイナス成長に落ち込んだ。危機の勃発後、ロシアと西側国家による経済制裁合戦も双方の経済のマイナス要因となっている。
スコットランドの住民投票もポンドと英国経済に影響し、EU経済の足を引っ張っている。研究機構「CrossBorder Capital」の報告によると、住民投票は、英国に対する市場の信頼に大きな打撃を与え、英国からの資金引き上げは8月、08年以来の月間での最大を記録した。
中東の地政学的リスクは、中東地域内の民族衝突と宗教衝突を激化させるだけでなく、市場の恐慌を呼び、世界範囲の保護主義の台頭を招いている。ISISは外国人を次々と標的にしており、中東の一部の地域では、外国資本や投資者が怖がって投資を避ける傾向を生んでおり、これらの地区の経済の発展に影響を与えている。
▽衰退の中に隠されたチャンス
禍と福は一緒にやって来るというように、複雑な政治情勢の背後には巨大なビジネスチャンスが隠れている。米財務省高官によると、米国はG20会議で、インフラ投資などの措置によって世界の支出水準を引き上げること提案を後押しする計画だ。
盛り上がりを見せているスコットランドの住民投票も、一部の国にとっては影響拡大の機会となる。「スコットランドの住民投票は、EUでの英国の地位を下げ、欧州の政治経済におけるドイツの地位をさらに際立たせることになる」と中国政法大学国際政治部の任洪生・副教授は指摘する。
国連の貿易開発会議の予測によると、世界の外国直接投資(FDI)は2014年に1.6兆ドルに達し、2016年にはさらに1.8兆ドルに拡大する。
清華大学経済外交研究センターの何茂春室長によると、ISISの活発な地域では、各国がテロ対策で協力することによって国際協力と地域一体化が後押しされることとなる。危機は新興産業も生み出す。エネルギー危機の深刻化は、新型エネルギー発展の市場を拡大する。
世界経済の今後の発展について何茂春室長は、「先進国は依然として世界経済発展の枠組みとなっているが、世界経済の動力の源は新興国家と発展途上国となっている」と指摘する。
尹中立研究員は、「経済の構造的衰退の過程では往々にして新たな経済成長分野が生まれる。チャンスをつかんで経済構造の調整を率先して行った国が、次の経済成長をリードすることになる」と指摘している。(編集MA)
「人民網日本語版」
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